12.8㎝径×7.8㎝高
岩崎新定 膳所焼 色絵千羽鶴茶碗 iwasaki, shinjo zeze colored thousand cranes tea bowl
岩崎新定 1913年(大正2) - 2009年(平成21)
遠州七窯の膳所(ぜぜ)焼を再興させた陶芸家・岩崎健三の長男。
京都高等工芸学校陶磁器科を卒業
1985年 滋賀県文化賞を受賞
滋賀県伝統的工芸品に指定
1987年 膳所焼美術館を設立
1991年 通産省より伝統産業功労者表彰
2009年 10月26日逝去
膳所焼
滋賀県大津市にて焼かれる陶器。茶陶として名高く、遠州七窯の一つに数えられる。黒味を帯びた鉄釉が特色で、素朴でありながら繊細な意匠は遠州が掲げた「きれいさび」の精神が息づいている。
膳所焼は徳川初期の元和年間に陶器を作り始めていたが、寛永13年に時の膳所藩主・石川忠総が当時の茶博士・小堀遠州の指導を得て遠州好みの茶器を焼き始めた。初期の作品は大名間の贈答用として造られていた。中期には藩主の庇護の下に細々と仕事が続けられていたが、のち天明年間になると、梅林焼・雀ヶ谷焼などが誕生し、明治11年まで続けられたが、経営困難のため廃窯の止むなきに至る。大正8年膳所の人・岩崎健三が名窯の廃絶を惜しみ、山元春挙画伯とはかり、その再興に生涯をかける。茶器製作に於いては遠州七窯の一つとして恥ずかしからぬものとなり、続いて健三の長男・新定がその業を継ぎ、今日では陶磁器業界はもとより茶道界にても膳所焼は著名な存在となっている。