飛来一閑 茶箱 hiki, ikkan tea box
飛来一閑
飛来一閑(ひきいっかん)は千家十職の一つ。渡来人の初代が創始した一閑張細工という独特の漆技法を伝承する。当代は16代にあたり、12代・中村宗哲と並ぶ千家十職としては珍しい女性当主である。
飛来家は亡命明人の末裔である。初代一閑は現在の浙江省杭州の出身であったが、清の侵攻が中国南部まで及び、身の危険を感じて大徳寺の清巌宗渭和尚を頼り、寛永頃に日本へ亡命。日本ではこの清巌和尚の手引きにより千宗旦に紹介され、趣味であった一閑張の細工による小物の注文を受けるようになった。
その後、家業を再開したのが3代一閑であり、4代一閑は表千家6代・覚々斎の御用細工師となる。しかし、6代から8代までは早世する当主が相次ぎ、家業の維持すら困難な状態となる。9代一閑は家業の再興に尽力するも、最晩年に大火に遭遇し失意の内に没した。10代一閑は初代一閑の作風に則った作風でお家再興に当たる。11代一閑は10代の意思を引き継ぎ、またその技術は「名人」とまで言われ、中興の人とされる。
14代一閑は後継者となるべく育てた2人の息子を太平洋戦争の徴兵による戦死で失う。後に婿養子として迎えた15代一閑は大成する前に急逝。その娘である16代一閑が、現在夫とともに家業を支えている。